本帰国の前にやる精算 現地口座を閉じる前に貸し借りを締める
#settlement#currency
本帰国では、帰国日より先に口座と電話番号の締め切りが来ます。受け取りと支払いの順番、帰国後に戻ってくる保証金や最後の光熱費の扱い、現地通貨のまま締める理由を、シンガポールのルームシェアを例に整理しました。
本帰国の準備は、やることリストとの戦いです。部屋の解約、家具の処分、携帯の解約、銀行口座の解約、荷物の発送。
そのリストに載りにくいのが、ルームメイトや現地の友人との間に残っている貸し借りです。金額は小さくても、現地の口座を閉じた瞬間に、受け取る手段も払う手段も一気に減ります。日本に戻ってから国際送金で片づけると、送る金額より手数料のほうが目立つこともあります。
🗓️ お金の締め切りは、帰国日より前に来る
帰国日は決まっていても、お金の締め切りはそれより早く来ます。
一つは口座の解約です。最後の給与や返金を受け取ってから閉じたいので、つい帰国直前まで残しがちですが、窓口の予約や手続きに日数がかかる国もあります。もう一つは電話番号です。シンガポールのPayNowのように電話番号で受け取る送金サービスは、番号を手放す前に登録を外すよう銀行が案内しています。番号を解約したあとは、その方法では受け取れないと考えてください。
つまり、現地通貨でやり取りできる期間は、帰国日ではなく口座か電話番号のどちらか早いほうが止まる日で終わります。精算はその数日前に終わらせる前提で逆算してください。
🏦 受け取りを先に、支払いを最後に
貸し借りが両方向に残っているなら、順番が大事です。
先に済ませるのは、自分が受け取る側の精算です。相手から送ってもらうには、自分の口座が生きている必要があります。自分が払う側の精算は、口座が閉じる直前でも送れるので、後に回しても困りません。
ここで一件ずつやり取りすると、送金の回数が増えます。同じ相手との貸し借りは、立て替えた分と立て替えてもらった分を相殺して、差額だけを動かすほうが確実です。複数人と残っているときの考え方は精算回数を最小にする方法にまとめてあります。
🔑 帰国後に戻ってくるお金を、誰が受け取るか
本帰国でいちばん扱いにくいのは、帰国した後に発生するお金です。代表的なのが二つあります。
保証金(デポジット)は、退去の確認が終わってから返ってくるのが普通です。ルームメイトが住み続けるなら、保証金は部屋に残ったままになります。最後の光熱費も同じで、請求が届くのは帰国から数週間後かもしれません。
どちらも、帰国前に見込み額で締めて、残る人に受け取りと支払いを引き継ぐのが現実的です。後から実額との差が出ても、少額なら精算し直さないと先に決めておきます。差額のために国際送金をすると、ほぼ確実に手数料のほうが高くつくからです。
💱 残りは現地通貨のまま締める
精算のときに日本円に直して考えたくなりますが、締めるまでは現地通貨のままにしてください。ルームメイトにとって意味があるのは現地通貨の金額で、円での額は自分の都合でしかありません。
シンガポールで2人でルームシェアしていたAさんが、3月末に帰国するケースで見てみます。Bさんは部屋に残ります。
| 項目 | 金額(SGD) | 誰から誰へ |
|---|---|---|
| 入居時にAが出した保証金の半分 | 1,200 | B → A(Bが部屋ごと引き継ぐ) |
| 3月分の電気代の見込み(Aの負担分) | 150 | A → B(請求はBに届く) |
| Bが立て替えた食料品のAの負担分 | 64 | A → B |
| 差し引き | 986 | B → A |
3回の送金が1回にまとまります。保証金をBが部屋ごと引き継ぐ形にすれば、退去時に返ってくる保証金はBのものになり、帰国後にAが受け取る必要がなくなります。
日々の記録を現地通貨で付けていれば、この表を作る作業そのものがいりません。Evereならプロジェクトの基準通貨をSGDにしておけば、精算画面にこの差し引き後の金額が出ます。円との関係は、日本に戻ってから自分の家計の側で考えれば足ります。留学中の通貨の分け方は留学中のルームメイト精算でも扱っています。
❓ よくある質問
Q. 帰国後に請求が来た光熱費が、見込みより高かったら? 差額が小さいなら、精算し直さずに残った人が持つ、と帰国前に決めておけば揉めません。大きく外れたときだけ、次に会う機会や、日本円で受け取れる手段を使って調整します。
Q. 現地の友人グループとの貸し借りも同じ扱いですか? 同じです。むしろルームメイトより先に片づけるべきです。毎日顔を合わせない相手ほど、送別会の流れで言い出しにくくなります。職場を離れるときの考え方は退職・転職で職場を離れるときが参考になります。
Q. 帰国後もしばらく現地口座を残しておくのはだめですか? 残せるなら選択肢になります。ただし口座維持の手数料や、本人確認の更新が必要になる国もあるので、何年も残すつもりでない限り、精算は帰国前に終わらせておくほうが後腐れがありません。
Q. 円で受け取ってもいいと相手が言ってくれた場合は? そのときに使ったレートを一行残しておいてください。何のレートで換算したかが分からないと、あとで金額の話を蒸し返したときに確かめようがありません。