立て替えとは?建て替えとの違い、立替金と仮払金
#settlement#how-to
立て替えは、他人が払うべきお金を代わりに先に払っておくことです。建て替えとの書き分け、会社で使う立替金と仮払金の違い、立て替えがおごりに変わってしまう理由まで辞書の記述をもとに整理しました。
立て替えは、本来は他人が払うべきお金を、代わりに先に払っておくことです。あとで返してもらうことが前提になっています。
飲み会で幹事が店に全員分を払う。旅行で一人が宿をまとめて予約する。同居人の分の電気代を自分の口座から引き落とす。どれも立て替えです。言葉としては簡単ですが、同じ読みの「建て替え」との書き間違いや、会社の経理で使う言葉との違いなど、迷いやすいところがいくつかあります。
辞書の意味と、江戸時代の書き方
『精選版 日本国語大辞典』は、立替を次のように説明しています。
立て替えること。他人に代わって金銭などを支払っておくこと。また、その金品。
立て替えた行為だけでなく、立て替えたお金そのものも「立替」と呼べるということです。「立替を返してもらう」という言い方は、この二つ目の意味にあたります。
同じ辞書が最も古い例として挙げているのは、1839年の人情本『縁結月下菊』です。そこでは「貸金」と書いて「たてかへ」と読ませています。この書き手にとって、立て替えは貸したお金と同じものだったわけです。今でも、立て替えは相手に一時的にお金を貸している状態と考えると、その性質がよく分かります。
「建て替え」は建物の話
同じ「たてかえ」でも、建て替えは古い建物を取り壊して新しく建て直すことです。家の建て替え、校舎の建て替えのように、建物について使う言葉です。
お金の話なら「立て替え」、建物の話なら「建て替え」と覚えておけば迷いません。「建て替えておいたよ」というメッセージは、変換の候補をそのまま選んだときによく起きる書き間違いです。
送り仮名にも少し幅があります。動詞や名詞として使うときは「立て替える」「立て替え」と書くのが一般的で、「立替金」「立替払い」のように熟語になると、送り仮名を省いた形がよく使われます。
会社で使う「立替金」と「仮払金」
会社の経理には、立て替えに関係する言葉が二つあります。どちらも一時的にお金を出しておくものですが、金額が決まっているかどうかで使い分けます。
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 立替金 | 本来は相手が払うべき、金額のはっきりしたお金を一時的に払ったもの | 取引先の送料を会社が代わりに払う |
| 仮払金 | 金額が決まる前に、見込みで先に渡しておくお金 | 出張の前に交通費や宿泊費の概算を渡す |
立替金は、あとで回収することが前提のお金です。仮払金は、出張から戻ったあとに実際の使用額と突き合わせ、余れば返し、足りなければ追加で払います。
この区別は、友人同士のお金のやり取りにもそのまま当てはまります。幹事が店に全員分を払うのは立替金に近く、旅行の前にみんなから「とりあえず1万円ずつ」と集めるのは仮払金に近い形です。前者はあとで割って返してもらい、後者はあとで余りを返します。会社の経費と個人の割り勘が一つの出張で混ざる場合の整理は、出張の立て替え精算にまとめています。
立て替えは、返してもらうまでが立て替え
立て替えのいちばんの弱点は、時間が経つと立て替えだったことが曖昧になることです。
翌日なら「昨日の3,000円」と気軽に言えます。1か月経つと、金額の記憶も曖昧になり、言い出すこと自体が気まずくなります。そうして返してもらわないまま終わった立て替えは、本人が意図しないうちにおごりに変わります。払った側はもやもやを抱え、払われた側は借りがあったことすら覚えていない、という状態です。
防ぐ方法は単純で、立て替えたその場で金額を記録し、相手にも伝えておくことです。言い出しにくくなってしまったときの伝え方は、友達への「お金返して」の言い方に文例をまとめています。
Evereでは、支払いを記録するときに立て替えた人を「支払い者」、その費用を分け合う人を「参加者」として選びます。立て替えた額と、誰がいくら返せばいいかが記録として残るので、時間が経っても金額があいまいになりません。
よくある質問
Q. 「立替え」「立て替え」「立替」はどれが正しいですか? どれも使われている書き方です。一般の文章では「立て替え」が読みやすく、帳簿や書類では「立替金」「立替払い」のように送り仮名を省いた形がよく使われます。社内に表記のルールがあればそれに従ってください。
Q. 友人に立て替えてもらったとき、領収書は必要ですか? 個人同士なら、金額が分かれば十分です。ただし、その費用を自分の会社に経費として請求する予定があるなら、店の領収書が必要です。立て替えてくれる人に、会計のときに受け取っておいてもらうよう頼んでおきます。
Q. 旅行前に集めたお金が余った場合は? 仮払いと同じで、使った額と突き合わせて余りを返します。全員から同じ額を集めていれば、余りも同じ額ずつ返すのがいちばん簡単です。