フリーランス同士のツール代 — 契約名義と解約時の分け方
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フリーランスが共同でツールを契約すると、名義が一人に寄って権限も費用も偏ります。年払い割引が月割りを壊す理由、領収書が名義人にしか出ない問題、抜けるときの条件を先に決める手順をまとめました。
フリーランス同士で仕事を回していると、共同で使うツールが自然に増えていきます。デザインツール、ファイル共有、請求書の発行サービス。
問題が起きるのは使っている間ではありません。誰かが抜けるときです。そのときになって、契約が誰の名義で、権限が誰にあり、支払いが誰から出ているかを全員が初めて確認することになります。
契約名義が一人に寄ると、権限も寄る
共同契約といっても、実態は一人が契約して他の人が費用を分担している形がほとんどです。クレジットカードを登録できるのは一人だからです。
このとき、名義人には三つの立場が同時に集まります。支払う人、管理する人、そして解約できる人です。費用は分担していても、アカウントを止める権限は名義人しか持っていません。
ここが揉める種になります。名義人が仕事を減らして「もう要らない」と判断すると、他の人の作業環境が消えます。逆に名義人だけが使わなくなっても、支払いは自分のカードから出続けます。費用の分担だけを決めて、権限の話をしないまま始めるのが、最も多い失敗です。
年払いの割引が、月割りを壊す
ツールの多くは年払いに割引があります。月払い6,000円が年払い60,000円になるなら、年間で12,000円の差です。当然、年払いを選びます。
ところが年払いにすると、途中で人数が変わったときの計算が急に難しくなります。
| 支払い方 | 3人で1年使う場合 | 半年で1人抜けた場合 |
|---|---|---|
| 月払い | 月2,000円ずつ | 抜けた月から2人で割る |
| 年払い | 年20,000円ずつ | 返金がないので按分が必要 |
年払いは支出が先に確定しているので、抜けた人のぶんを誰かが引き取るか、使わなかった期間を日割りで返すかを決めなければなりません。年払いを選ぶなら、途中離脱の計算方法まで同時に決めておく必要があります。安さだけで選ぶと、この計算が後から降ってきます。
領収書は名義人にしか出ない
フリーランスにとって、ツール代は経費です。だから領収書が要ります。
ところが共同契約では、サービスが発行する領収書は名義人宛の一枚だけです。分担している他の人には、自分の負担ぶんを証明する書類が存在しません。
対処は二つあります。名義人が他の人へ請求書を出す形にするか、名義人が全額を経費にして、他の人からの入金を売上ではなく立替金として処理するか。どちらを選ぶかは税務上の扱いに関わるので、始める前に全員の処理方法を揃えておいてください。 一人だけ違う処理をしていると、年に一度の申告時期に必ず食い違います。
送金の記録そのものは残しておくと確認が早くなります。Evereでこの共同ツール用のプロジェクトを作ると、誰がいつ何を負担したかが一覧で残ります。
抜けるときの条件を、契約する前に決める
共同契約が終わる理由はいくつかあります。誰かが会社員に戻る、使わなくなる、単価が合わなくなる。どれも珍しくありません。
決めておくべきことは三つです。
- 抜ける意思を、いつまでに伝えるか(年払いなら更新日の1カ月前など)
- 年払いの残り期間ぶんを返金するか、しないか
- 抜けた人のデータやファイルをどう扱うか
三つ目が見落とされがちです。共有ストレージに置いたファイルは、アカウントが消えると一緒に消えることがあります。抜ける側にとっては仕事の記録が失われる話なので、金額よりもこちらのほうが重い場合があります。
値上げのたびに、誰が判断するのか
サブスクは値上げします。共同契約では、その通知が名義人にしか届きません。
名義人が黙って払い続けると、他の人は知らないうちに負担額が上がります。逆に名義人が独断で乗り換えると、他の人の作業が止まります。値上げの通知が来たら共有する、という一行を最初に決めておくだけで、この二つは防げます。
判断の基準も先に決めておくと早いです。一定額を超えたら全員で再検討する、というルールにしておけば、そのたびに議論を起こさずに済みます。同棲カップルが共有のサブスクを扱う場合の線引きは同棲カップルのサブスク管理にありますが、考え方は仕事道具でも変わりません。
よくある質問
Q. 名義を法人にすればいいのでは? 共同で法人を作るのは、ツール代の分担のためだけには重すぎます。契約と権限のルールを文章にして共有するほうが、実務としては現実的です。
Q. 割り勘ではなく、使用量で分けたいのですが。 シート課金のツールなら人数で割れます。使用量課金のものは、明細が人単位で出るかを先に確認してください。出ないなら頭割りにするしかありません。
Q. 支払いが遅れる人がいます。 名義人が立て替え続ける構造なので、放置すると名義人だけが貸している状態になります。締め日を決めて、そこで揃える運用にしてください。毎月の締め日をつくると揉めないの考え方がそのまま使えます。
Q. 一人が使わない月があった場合は? 月単位で外すのは管理が重くなるのでおすすめしません。年間で見て使わない期間が長いなら、その人は契約から外すほうが双方にとって簡単です。