部署の慶弔費とお祝い金 — 集め方と記録の残し方
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結婚祝いや香典を部署で集めるとき、揉めるのは金額そのものより決め方です。先に型を決めておく理由、一律と任意の分かれ目、弔事の速さへの備え、渡したあとまで記録を残す意味をまとめました。
部署で慶弔費を集める役が回ってくると、金額を決めることより、決め方を説明することのほうが難しいと気づきます。
一人1,000円か2,000円か。入ったばかりの人はどうするか。休職中の人に声をかけるか。どれも正解がなく、しかもその場で判断を迫られます。
金額より先に、集め方を決めておく
慶弔費が面倒なのは、出来事が起きてから初めて金額を考えるからです。おめでたい話や訃報が入ってから相談を始めると、時間がないうえに、その人への評価と金額が結びついて見えてしまいます。
先に決めておくべきなのは金額ではありません。誰が声をかけ、いつまでに集め、余ったらどうするかという手順のほうです。金額は出来事ごとに変わりますが、手順は一度決めれば使い回せます。
手順が決まっていると、集める側の負担がはっきり減ります。声をかける理由を毎回考えなくてよくなり、「前と同じやり方で」と言えるからです。
一律にするか、任意にするか
集め方は大きく二つに分かれます。全員から同額を集める一律か、出したい人が出す任意か。
一律の利点は、金額を考えなくて済むことです。欠点は、参加しない選択が事実上なくなることにあります。家庭の事情や信条で出したくない人が、断る言葉を持てません。
任意の利点はその逆です。断れる余地が残る代わりに、集まる額が読めません。幹事が不足分を自腹で埋める形になりがちで、それは一度起きると次の担当者が引き受けなくなります。
| 方式 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 一律 | 人数が少なく、関係が近い部署 | 断る余地がなくなる |
| 任意 | 人数が多い、入れ替わりが多い | 総額が読めない |
| 一律+辞退可 | 上の二つの折衷 | 辞退を個別に受ける窓口が要る |
実務で機能しやすいのは三つ目です。金額は一律で示しつつ、辞退を個別に受け付けると伝えておく。辞退の連絡先を幹事個人にしておくと、辞退した事実が他の人に見えません。
なお、役職や年次で金額に差をつける考え方もあります。ただし慶弔費では差をつけないほうが揉めにくく、差をつけるなら飲み会のような日常の場面で先に慣らしておくほうが無難です。傾斜そのものの付け方は飲み会幹事の精算完全ガイドで扱っています。
弔事は時間がない前提で用意する
慶事と弔事は、同じ慶弔費でも性質がまったく違います。結婚や出産は数週間前から分かりますが、訃報は当日に届きます。
弔事で必要なのは相談ではなく既定です。誰が立て替えて、いつ集めるかを先に決めておかないと、立て替えた人が言い出せないまま終わります。 香典は当日に必要なので、実務としては一人が全額を立て替え、後日回収する形にならざるを得ません。
この「先に立て替えて後で集める」形は、回収が最も抜けやすい構造です。出来事が重いぶん、あとから金額の話を切り出しにくくなるからです。立て替えた時点で金額と対象者を記録に落としておくと、後日の回収が事務作業として処理できます。
集めた記録を、渡したあとまで残す
慶弔費の記録は、渡した時点では終わりません。あとから「自分は出したはずだが」という確認が来ることがあり、そのときに答えられるかどうかで、次回の集めやすさが変わります。
Evereでプロジェクトを一つ作ると、その出来事に関わる金額だけをまとめて扱えます。誰から預かったか、何に使ったか、余りがいくら出たかが一箇所に残るので、報告もそこから作れます。
余りの扱いは先に言っておくのが安全です。次の慶弔費に繰り越すか、その場で返すか。繰り越す場合は、預かっている額が今いくらあるかを言える状態にしておく必要があります。金額が見えない繰越金は、担当者が変わった時点で説明できなくなります。
集金の連絡そのものの作法は、連名プレゼントの集金に書いた段取りがほぼそのまま当てはまります。
よくある質問
Q. 入社直後の人にも声をかけるべきですか? 声はかけて、辞退しやすい言い方を添えるのが無難です。最初から外すと、本人が知らないうちに部署の慣習から除かれる形になります。判断を本人に渡すのが公平です。
Q. 休職中や産休中の人はどうしますか? 連絡自体を控える必要はありませんが、返答を急がせないでください。期限を切らずに伝え、返事がなければそのまま進めるのが実務的です。
Q. 金額の相場を部署内で聞かれたら? 過去の記録があればそれを示すのが最も角が立ちません。相場を口頭で答えると、その人の主観として扱われます。前回いくら集めたかという事実は、誰の意見でもありません。
Q. 幹事が自腹で足したぶんは請求していいですか? 請求してください。ただし渡したあとではなく、不足が分かった時点で伝えるほうが通ります。渡し終えてからの請求は、金額の妥当性ではなく事後報告として受け取られます。