親からの援助がある家計、二人でどう扱う?
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どちらかの親からお金の援助を受けると、二人の家計の公平の基準が静かにずれます。援助が二人のあいだでは非対称なお金である理由、一度きりと続くものの違い、返さなくていいお金にも記録が要る理由を書きました。
二人で暮らしていると、どこかの時点で親からのお金が入ってきます。家の頭金、車の買い替え、出産に合わせた援助、結婚式の費用。金額の大小にかかわらず、この種のお金は家計の中で少し特別な場所に置かれます。
置かれ方が決まっていないと、その特別さが後から効いてきます。
援助は、二人のあいだでは非対称なお金
二人の収入は、それぞれの働きから来ています。金額に差があっても、由来は対称です。親からの援助はそうではありません。どちらか一方の家から来ています。
この非対称が、公平の基準を静かにずらします。生活費を折半していても、頭金の6割が一方の親から出ていれば、家という資産の中身は折半ではありません。生活費の話し合いだけを丁寧にやっていると、いちばん金額の大きい部分が、誰も議論しないまま決まっていきます。
住宅資金は特にそうです。頭金500万円のうち300万円が一方の親からで、残り200万円が二人の貯金なら、家から来たお金と二人で貯めたお金は6対4です。二人の貯金を折半とみなせば、一方の側の拠出は400万円、全体の8割になります。名義をどうするかは制度の話ですが、二人の感覚としてどう扱うかは、別に決めておく必要があります。
「うちの親が出したから」が生む力関係
言葉にしなくても、お金の出どころは力になります。
援助を受けた側は、その使い道について主導権を持ちやすくなります。受けていない側は、口を出しにくくなります。どちらも悪意はありません。それでも、家具を選ぶとき、住む場所を決めるとき、少しずつ遠慮と主張の配分が変わります。
厄介なのは、この力関係が普段は見えないことです。うまくいっている間は誰も持ち出しません。ところが別の件でぶつかったとき、本来関係のないはずの「あのとき出したのはうちの親」が、議論の中に出てきます。 そこまで来ると、お金の話ではなくなっています。
先に言葉にしておくほうが安全です。このお金は二人のものとして扱う、あるいは一方の家からの資産として扱う。どちらを選んでも構いません。決めていないことだけが問題になります。
一度きりの援助と、続く援助は別物
援助には二種類あります。まとまった金額が一度だけ入るものと、毎月の家賃補助や食材の仕送りのように続くものです。
一度きりのものは、資産の話です。何に使ったかが残るので、後から確認できます。扱いを決めるのも比較的簡単です。
続くものは、生活費の話になります。そして生活費に組み込まれると、金額が見えなくなります。毎月3万円の補助があるなら、それは二人の可処分所得の一部です。ないものとして暮らしていれば止まっても困りませんが、前提にして暮らしていると、止まったときに家計が成立しなくなります。続く援助を受けているなら、それが止まった場合の家計を一度は計算してみてください。 計算しておくだけで、依存の度合いが自分たちで分かります。
生活費の設計そのものについては同棲の生活費の分け方に書いたとおりで、援助はその外側にある収入として扱うと見通しがよくなります。
家計に入れるか、個人に留めるか
実務的な選択肢は二つです。援助を二人の共通の財布に入れるか、受け取った本人の個人資産として扱うか。
共通の財布に入れるなら、そのお金は二人のものになります。使い道も二人で決めます。そのかわり、出どころが一方の親であることは、以後の判断材料から外します。外せないなら、共通にしないほうがいいということです。
個人に留めるなら、生活費の分担はこれまでどおり続けます。援助を受けた側が自分の貯金として持ち、共通の支出には使いません。冷たく見えますが、境界がはっきりしているぶん、後で揉める要素は少なくなります。
どちらを選ぶかは、二人の家計の作り方によります。貯金の目標を二人で持つような共通の口座を運用しているなら前者が馴染みますし、生活費以外は完全に別会計なら後者が自然です。
返さなくていいお金にも、記録は要る
親からの援助は、多くの場合、返済を求められません。だからこそ記録が残りません。
ただ、**返さないことと、なかったことにすることは違います。**誰の親から、いつ、いくら、何のために入ったのか。この4つだけ残しておけば十分です。Evereでプロジェクトを分けて、生活費とは別のまとまりとして記録しておくと、毎月の精算に混ざらずに済みます。
記録が効くのは、たいてい二人以外の場面です。将来の相続で他のきょうだいと話すとき、住宅ローンの手続きで出資比率を聞かれたとき、あるいは関係が変わったとき。どの場面でも、記憶より記録のほうが早く終わります。
お金の話を切り出すこと自体が重い場合は、恋人とお金の話をする台本のほうから先に読んでも構いません。援助の扱いは、金額の交渉ではなく、前提の確認です。